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派遣法の3年ルール 完全基礎解説【動画付き】《抵触日?例外?違法?→全部説明します!》

今回は、派遣法の3年ルールについて、基礎的なことを徹底解説していきます。

この3年ルール、「派遣は3年を超えて同じ職場で働けない」ということですが、ご存知の方は多いと思います。

その一方で、ただそれだけのルールではなく、

悩める人

・3年を超えて同じ職場で働く方法を聞いたことがあるけどどんな方法?
・3年の数え方が以外と複雑でよくわからない…

などの疑問の声もよく耳にします。

ネットで調べても文字だらけで分りにくかったり、
専門用語だらけで「ウッ…」となることもあるのではないでしょうか??

\そこで、見て聞いてわかるように動画を作りました/

動画作成、頑張りました!
3年ルールについて、他にはない解説動画になっていますので、ぜひご覧くださいませ〜

また、動画の内容について、テキストベースでも読めるように、以下文章化しています。
ご活用いただけますと幸いです😄

タップで読みたいトピックへ

Chapter① 3年ルールの概要

3年ルールを一言で

3年ルールとは、
同一組織で同一の派遣社員が3年を超え派遣就業をしてはならない』という、
派遣法で決まった法律です。

3年ルールは派遣会社のせいでも派遣先のせいでもなく、国で決まっていることなんですね。

派遣法とは

派遣法は、その正式名称を『労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律』といいます。

長い名称ですが、シンプルに派遣法と言う方も多いので、この文章でも派遣法と表記します。

派遣法は、『労働者派遣事業を適切に行うこと』と
『派遣労働者を保護すること』を目的に作られた法律であり、
1986年に施行され、現在もなお、改定され続けています。

そして今回のテーマである『3年ルール』は、2015年9月30日に改訂された内容であり、
それ以降、派遣就業においては「3年間の縛り」というものが発生しているというわけです。

(厳密にいうと、2015年9月30日以前は業務の種類によって、3年以上就業できるか否かが決まっていました)

余談ですが、この法律が変わるタイミングの時ぼくは派遣会社で勤めていましたが、
契約の考え方が全部変わるので、当時は嵐のような事務処理で、めちゃくちゃ大変でした。

3年ルールができた理由

この3年ルール、なぜできたのかというと、国が「正規雇用を増やしたい」「派遣のまま同じ就業を続けるとキャリア形成に良くない」という考え方を持っているためです。

3年を超えるような長期派遣に対して、国としては、

「長期で人員が必要なんなら、派遣社員のままじゃなくて、直接雇用にしてあげて!」
「必要なポジションを埋めることができるし、労働者も正規雇用されることで業務と責任の幅が広がってキャリア形成できるし雇用も安定するし、ヨロシク!」

というような方針があるのです。

もちろん一概にそれが全ての派遣社員の方にプラスに働くわけではないと思いますが、法律が変わる様子もなさそうですね。

Chapter② 3年ルールのカウント方法

抵触日とは

3年ルールの『3年』の数え方について説明しますが、この先よく出てくる抵触日という言葉を解説します。

同一組織で同一の派遣社員は、3年間までしか派遣就業ができませんが、その3年を超える日(つまり派遣就業ができなくなる日)を抵触日と言います。

例えば、2022年4月1日から派遣就業開始した場合、3年後の2025年3月31日まで派遣就業が可能です。

しかし、次の日2025年4月1日も同じ組織で派遣就業を続けてしまうと派遣法に抵触してしまいます。

この2025年4月1日が、抵触日ということです。抵触日という言葉はよく出てくるので、ぜひ覚えておきましょう!

そして、この抵触日までの3年間カウントには、実は2つの軸が存在します。

それは、個人単位事業所単位というものです。

3年間のカウントは、この二本の軸でそれぞれ行なっており、どちらか先に3年がくる方が3年ルールの『3年目』に該当します。

以降、この個人単位事業所単位について各々解説します。

個人単位の3年カウント

まずは個人単位の3年カウントについて説明します。

これは非常にシンプルで、同じ派遣社員の人、例えばAさん個人が、同一組織3年間を超えて勤めることができない、というものです。

これは絶対に延長することは出来ません!

※例え、万が一、Aさんが雇用元である派遣元(派遣会社)を変えても、3年カウントは引き継がれます。
派遣先にとっては同じ派遣社員Aさんであることは変わりないので、3年間のカウントはリセットされません。

同一組織って何?

同一組織とは、派遣先が講ずべき措置に関する指針(厚生労働省)に基づくと、

✔︎ 業務としての類似性・関連性があること
✔︎ その組織長が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有すること


これらの観点から実態に即して、同じ組織か異なる組織か判断する。

とされています。

もっとシンプルに言えば、同一組織とは
一定の決裁権を持ったリーダーのもと、
特定の業務を行うために、
形成されたユニットということです。

例えば、◯◯課◯◯グループといったものです。
派遣先が大学の研究室の場合は、◯◯研究室が組織単位になります。

また、どこまでが同一組織といえるのか、という判断は、職場の組織体によって異なることがあり、解釈が難しいケースもあります。

「こういうケースはどこまでが同一組織なのだろう?」とよく分からない場合は、派遣元や派遣先に確認してみましょう。派遣元や派遣先でも判断しかねるときは、労働局に問い合わせるのが確実です。

ちなみに派遣就業中に組織が2つに分裂した場合(例えば営業課が営業一課と営業二課に別れる)や、合併して1つになった場合(営業一課と営業ニ課が合併して営業課になる)も、組織としての性質が変わらないのであれば同一組織のままとみなされ、早く来る方の抵触日が適用されるのが一般的です。

組織が変われば、また3年は派遣就業できる

なお、「同一組織内で3年」ということなので、違う組織に異動することがあれば、また3年間同じ派遣先で派遣で働くことが可能です。

例えば、営業課で3年間派遣就業したAさんは、3年を超えて営業課に残ることは出来ませんが、同じ派遣先内の別組織である経理課であれば、また3年間派遣就業が可能です。

組織が変わるので、もちろん、上司や仕事は変わります。

ちなみにこの組織異動をするためには、

✔︎ 事業所単位の3年カウントを、派遣先が延長していること
✔︎ 派遣社員の特定行為をしないこと

この2つの条件が必要です。

事業所単位の3年カウントについてはこの後すぐ説明します。
特定行為については「3年ルールのクーリング」にて解説しています。(→特定行為の解説までジャンプ

事業所単位の3年カウント

事業所という就業場所に対しても、派遣の3年ルールは適用されます。

簡単にいうと、『派遣社員の方が就業開始したその事業所では3年間までしか派遣サービスそのものが使えない』ということです。

ただ、事業所単位については、派遣社員の方はあまり気にする必要はなく「こういうのがあるんだ」という程度の認識でいていただいて問題ありません。

なぜなら、事業所単位の3年間は延長が可能であり、その延長手続きは派遣先が行うためです。

事業所とは

まず、「そもそも事業所とは何か?」からお話したいと思います。

事業所の定義は、統計局より、経済活動の場所ごとの単位であって原則として以下の要件を備えているもの、とされています。

▼事業所の定義(統計局HP
✔︎ 経済活動が、単一の経営主体のもとで一定の場所を占めて行われていること
✔︎ 物の生産、サービスの提供が、従業者と設備を有して、継続的に行われていること

ざっくりした例でいうと、東京本社、新宿支店、静岡工場、福岡研究所、といった拠点、これら1つ1つが1事業所です。

事業所の3年カウント方法

では、事業所単位の3年カウントはどのようになっているのでしょう。
例として、新宿支店という事業所で、解説します。

新宿支店で初めて派遣サービスを使うことになり、Aさんという派遣社員が2022年4月1日から就業開始したとします。
この場合、Aさん個人単位では、2025年4月1日が抵触日となり、2025年3月31日までしか派遣就業ができません。
そして、このとき新宿支店という事業所に対しても、3年ルールが適用されます。
今回のケースでは、Aさんが派遣就業を開始したと同時にカウントが始まり、2025年4月1日が「事業所の」抵触日になります。
そうなると、新宿支店では2025年3月31日までしか派遣サービスそのものを利用することができなくなります。

例えば、派遣社員Aさんが就業開始した1年後に、派遣社員Bさんが2023年4月1日から派遣就業を開始したとします。
Bさんは自分自身の個人単位では、本来3年後の2026年3月31日まで派遣就業できる権利はありますが、新宿支店自体は事業所単位で2025年3月31日までしか派遣サービスを利用できないため、Bさんも2025年3月31日までしか派遣就業できないのです。

しかし、事業所単位の抵触日は個人単位と違って、延長することが可能です。

解説します!↓

事業所の抵触日延長(ずっと更新可能!)

 派遣先は、の事業所において、事業所抵触日の1ヶ月以上前に、事業所の過半数労働組合等から意見聴取の手続きを取れば、事業所単位のカウントを3年間延長することが出来ます

この延長できるという点が、事業所単位と個人単位の唯一の違いですね!

その3年後も同じように手続きをすることで、さらに3年ずつ延長することも可能です。

業務や予算の都合で派遣サービスそのものを使わなくなるということは勿論あるかも知れませんが、極論を言えば、事業所は永遠に派遣を受け入れ続けることが可能ということです。

実際、延長している事業所がほとんどです。

そして、事業所が事業所単位の3年間を延長することで、結果、このようなことが可能になります。

まず、新宿支店にAさんが就業開始。1年後にBさんが就業を開始します。
3年後にAさんは個人単位の3年間縛りによって派遣終了してしまいますが、新宿支店は今後も派遣サービスを利用したいため事業所単位を3年間延長するにしました。そのため、Bさんは、Bさん個人の3年間まで派遣を継続することができます。

事業所が合併したとき、抵触日はどうなる?

派遣先によっては、事業所が合併することもあると思います。

例えば、新宿支店と渋谷支店が合併して、東京支店という事業所が新たに作られた場合です。

この時、合併事業所の抵触日は、合併前の支店たちの早くくる方の抵触日が適用されます。

新宿支店の事業所抵触日が2025年3月31日、渋谷支店の事業所抵触日が2025年6月30日だとしたら、合併後の新しい事業所(東京支店)の抵触日は、2025年3月31日が適用されるということです。
なお、個人単位の抵触日はそのまま引き継がれます。

Chapter③ 3年ルールの例外

実は、3年ルールには、条件によってルールそのものが除外される例外があります。

例外になれば、同じ職場で3年間を超える長期的な派遣就業ができますので、知っておいて損はないと思います。

以下5つのうち、どれか1つでも該当すれば、個人単位と事業所単位のどちらに対しても、3年ルールの適用外です。

▼3年ルールが除外されるケース
① 派遣社員自身が60歳以上であること
② 派遣で働く業務が
派遣先社員の産休・育休・介護休の代替であること
③ 派遣で働く業務が
月10日以内かつ、派遣先社員の所定労働日数の半分以下である日数限定であること
④ 派遣で働く業務が
期間限定のプロジェクトであること
⑤ 派遣社員自身が
正社員型派遣社員であること

ここからは、この5パターンについて、一つずつ解説していきます。

① 派遣社員自身が60歳以上であること

60歳以上の方が派遣で働く際には、3年ルールは全く気にしなくて大丈夫です。

3年を超えても同じ組織で就業することが可能です。

事業所も、派遣社員の方が60歳以上の方だけであれば、事業所抵触日の延長も不要です。

② 派遣で働く業務が派遣先社員の産休・育休・介護休の代替であること

産休・育休・介護休をとるのが派遣先の社員であることが条件です。
派遣社員の代替ではありません。

この代替で派遣就業している期間については、事業所単位も個人単位も3年のカウントはされません。

また、代替なので、そのお休みしていた社員さんが復帰したら派遣も終了になりますが、まれに「戦力として、引き続き派遣契約を延長してほしい」と派遣就業を継続できることもあります。

ここからは代替の派遣ではないため、3年のカウントもこの延長の時点から開始されます。

③ 派遣で働く業務が月10日以内かつ、派遣先社員の所定労働日数の半分以下である日数限定であること

この考え方は結構ややこしくて、単純に月10日以内のパート勤務ならOKというわけではないんです。(ぼくも派遣会社で働いている頃、法律改定後しばらくの間、勘違いしていました…。知らない人も多そうです。)

これは、労働者目線ではなく、業務内容目線で見た日数限定に限ります。

例えば、月に1度しか発生しない棚卸し業務や、月4回行われる展示会の運営業務といったものです。

その派遣先にとって、その業務自体が少ない日数で固定化されていて、そのためだけに派遣サービスを利用するというものが該当するというわけです。

④ 派遣で働く業務が期間限定のプロジェクトであること

ここでいう期間限定とは、間違いなくエンドが決まっていて、確実に就業期間が決まっているものを指します。

例えば、3年間の有期プロジェクトであれば、3年後は絶対に業務がなくなり、そして派遣サービスも絶対に利用することはない、というものです。

期間限定プロジェクトならば、5年間のプロジェクトでも、3年ルールの縛りがないため、その5年間は派遣就業が可能です。

⑤ 派遣社員自身が正社員型派遣社員であること

正社員型派遣とは、派遣の雇用形態の一つです。

無期雇用派遣、常用型派遣とも言います。

この形態で派遣就業している場合は、3年ルールの適用外になります。

ここで、派遣の雇用形態についても簡単にポイントだけ触れておきましょう。

派遣には、3種類の雇用形態があります。

1.一般派遣。有期雇用派遣、登録型派遣、とも言います。
2.正社員型派遣。無期雇用派遣、常用型派遣、とも言います。
3.紹介予定派遣。これは派遣先での直接雇用を前提とした雇用形態です。

今回は、一般派遣と正社員型派遣を比較してみます。

この2種類は、給与形態や雇用条件で異なるケースが多いのですが、
今回は雇用の状態というポイントにフォーカスして比較をしてみました。

まず、雇用元は一般派遣も正社員型派遣も同じ、派遣元となる派遣会社が該当します。
注意点は、一般派遣は派遣就業中のみ雇用があるということ、正社員型派遣はずっと派遣会社に雇用された状態であるということ、ここが違うということです。
よって、派遣元に雇用される期間は、一般派遣の場合は派遣先との派遣契約が終了すれば派遣元との雇用契約も解除されるので「有期」、正社員型派遣の場合は、派遣先との派遣契約が終了しても派遣元との雇用契約が続くので「無期」ということになります。
そして3年ルールは、法律上、有期雇用である一般派遣のみに適用され無期雇用である正社員型派遣には適用されないことになっているのです。

このように、正社員型派遣になれば(つまり派遣会社の無期雇用になれば)、年齢や代替や日数や期間を気にしなくても、3年を超えて、同じ派遣先の同じ組織で働くことができます。

ちなみに、正社員型派遣になるには、派遣会社との調整が必須でして、希望したからなれる、というわけではありません。

特定の条件(次回転職時に派遣先を選べない等)を承諾しなければいけなかったり、無期雇用するかどうか、派遣会社で選考が行われることもあります。

派遣会社によって条件が異なりますので、詳しいことは派遣元に確認しましょう。また、派遣会社によっては、派遣会社自身が正社員型派遣を取り扱わないケースもありますので、その点も要注意です。

Chapter④ 3年ルールのクーリング

クーリング、3年を超えても、働ける

派遣の法律上、同じ派遣社員が同じ組織で3年を超えて派遣就業することはできません。
では、3年を超えたら、2度と、その派遣社員はその派遣先の同一組織で就業することはできないのでしょうか?

実は、そうではないのです。

正社員型派遣になって、同じ組織でまた働くということもできますが、一般派遣でも戻ってくることは可能です。

3ヶ月+1日以上の期間が空けば、一般派遣でもまた同じ派遣社員が同じ派遣先組織で派遣就業することが可能になります。

これをクーリングと言い、この3ヶ月+1日のことをクーリング期間と言います。

例えば、新宿支店という事業所の営業課という組織で派遣就業している一般派遣のAさん。
この方の場合、個人抵触日の関係で、最大3年間までしか派遣就業ができません。
しかし、派遣終了後に、3ヶ月+1日以上であるクーリング期間を空けると、再び、新宿支店の営業課で派遣就業を開始することができるのです。なお、このクーリング期間は、個人単位でも事業所単位でも有効です。

意図的なクーリングは違法!!

ただ、「3年間経ったからクーリング期間を置いて、また3年間派遣で働いてもらおう」というように、クーリングを意図的に利用することは、当然ながら違法行為です。

例)
Aさんに3年間きっちり派遣就業してもらう予定だが、抵触日後にクーリング期間を空けてから、またAさんが派遣で来てもらいたい。
なので、Aさん及び派遣元と事前に話し合い、クーリング期間後の契約を締結しておいた。

これは意図的に行っており、明らかな脱法行為です。

『特定行為』という違法行為

また、クーリング期間後などに、派遣先が派遣会社へ「以前就業してもらった派遣社員Aさんにまたお願いしたい」と申しれを行うことは、派遣社員の特定行為という違法行為になります。

派遣先は、個人を特定して派遣社員を選んではいけないのです。

これは、派遣法第26条7項で決められたことです。

労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。

派遣法第26条7項

特定することを目的とする行為とは、先ほどのような「Aさんに来てほしい」と派遣先が派遣社員個人を指定する行為や、派遣先が派遣社員の人を採用選考する行為を指します。

派遣は、あくまで「労働力の提供」を目的としています。派遣社員の雇用主は、派遣元である派遣会社であり、選考するのも派遣会社なのです。

もし派遣先が「どの派遣社員に来てもらうか」選んでしまうと、

✔︎ 雇用責任の所在の不透明化
✔︎ 就業機会が狭くなる派遣社員が出てきてしまう

ということが起きかねません。なのでこういう法律があるのです。

努力義務なので罰金などの罰則はないですが、破った場合は労働局からの指導は必須、悪質な場合は労働局HPへの社名公開もあります。

ちなみに、
派遣先が講ずべき措置に関する指針』第2条3項でも、『派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止』という記載があります。派遣先に対して、特定行為は禁止と明記されているのです。
派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針』第2条13項では、『派遣労働者を特定することを目的とする行為に対する協力の禁止』も明記されています。

特定行為にしないようにするためには・・・

では、どんなケースなら法的にセーフなのかというと、

ある組織を3年で派遣終了したAさん。たまたまその派遣先組織で求人が発生し、たまたま派遣会社が紹介した派遣社員が、たまたま前回その派遣先で働いていたAさんだった。

という状況です。

これであれば、派遣先の意図はないため、特定行為に該当しません。

そして、「たまたま」というその偶然を、確認する術は結構なかったりしますね。。

Chapter⑤ 3年ルールを破ってしまったら労働契約申込み みなし制度

3年ルールを破ると誰にどのようなペナルティがあるのか、説明します。

派遣先が、この3年ルールを破って派遣社員を継続させてしまうと、派遣先からその派遣社員へ「労働契約の申込みをしたもの」とみなされます。

労働契約申込み みなし制度

上記を、労働契約申込み みなし制度と言います。派遣法第34条3項です。

例えば、派遣社員AさんがF株式会社の新宿支店の営業課に派遣就業しているとして、3年を超えて同組織で派遣継続をするというルール違反をしてしまったら、F株式会社はAさんに対して「あなたをうちの社員になってください」と申し出たことと同意になる、ということです。

意図的でもそうでなくても適用されますので、派遣先は知らなかったでは済まされません。

派遣社員Aさんは、その申し出を承諾すると、それだけで直接雇用が成立します。

このペナルティ、派遣先だけが受けることになりますが、現実問題、派遣元の管理不足も指摘され、派遣先からクレームを受けたり関係性が悪化するなど、派遣元にとっても良いことではありません。

労働契約申込み みなし制度』の注意点

また、労働契約申込み みなし制度は、正確にいうと、派遣先が派遣社員に対して派遣元との労働条件と同じ内容の労働契約を申し込んだとみなす制度です。

派遣社員の方の中には、「直接雇用してもらえてラッキー」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、もしかするとその派遣社員の方にとっても望ましくないかも知れません。

例えば、直接雇用によって給与UPを狙っていたとしても、「派遣社員のときは時給1,500円でした。直接雇用(契約社員で直接雇用になった場合)でもまた時給1,500円です。」ということになり兼ねません。

もし、派遣社員Aさんが労働契約の申込みを承諾しなかった場合でも、3年を超えているという違法状態なので、そこでの派遣継続は出来ないでしょう。

派遣先で直接雇用を目指す場合は、まずは雇用主である派遣元に相談し、その派遣元から派遣先へ交渉をしてもらい、適切な労働条件で直接雇用に転換するのが得策です。

Chapter⑥ 派遣元が行う義務『雇用安定化措置』

3年ルールにおいて、派遣社員を雇用する派遣会社、つまり派遣元も気をつけねばならないことがあります。

それは雇用している派遣社員の雇用安定化措置です。派遣法第30条で決まっていることです。

『雇用安定化措置』とは

雇用安定化措置とは、雇用主である派遣元が、雇用している派遣社員に対して、ある4つの方法のいずれかを使って、3年を超えても雇用を継続できるようにする制度です。

一般派遣の場合、派遣社員が派遣就業をしている期間が、派遣元にとっての雇用期間になります。

逆に派遣就業していない時は、雇用関係はありません。

3年ルールにより派遣社員は同一組織で3年間までしか働けないため、3年後には派遣元との雇用関係もなくなります。

ここで雇用安定化措置が登場します。

『雇用安定化措置』 4つの方法

以下が派遣元が実施する雇用安定化措置、4つの方法です。

▼雇用安定化措置 4つの方法
① 派遣元から派遣先に、その派遣労働者を直接雇用してもらう様に依頼する(ただし、派遣先にはこれを受ける義務はない
新たな就業先を確保する(同一派遣先の他部署もOK)
③ 派遣元の
無期雇用に転換して雇用を継続する(無期雇用である正社員型派遣でも、派遣会社の内部登用でも良い)
有給で教育訓練を行う

この中から措置方法を選ぶことになります。

これは、その派遣社員について派遣就業見込みが3年あるとわかっている時点で、派遣元は義務として絶対に実施しなければなりません。ちなみに、派遣就業見込みが3年あるかどうか分からない、というときは、派遣元にとって努力義務になります。

さらに、措置を行う順番も決められており、派遣社員が希望するなら『①派遣先への直接雇用の依頼』最優先に行い、①が実現しなかった場合に限り②〜④のいずれか行うことが、義務になっています。

また、派遣元は勝手に措置方法を選んではいけません。事前に派遣社員の希望をちゃんと聞く、ということも法律で義務化されています。

雇用安定措置については、派遣就業期間が3年になる前に、派遣元から派遣社員の方へ希望を聞かれます。

あと数ヶ月で3年経過するのに、「派遣元から何も話がない」という方は、派遣元に問い合わせてみましょう。

当然ですが、「3年経過する前にわざと派遣契約を切って雇用関係を無くそう」などと意図的に操作することは違法です。

まとめ

今回、派遣の3年ルールについて解説しました。

① 3年ルールとは、一般派遣という派遣形態では同じ組織に最長3年間までしか就業できないという法律です。

② 3年のカウント方法は、派遣社員個人単位と、派遣先事業所単位の2種類があり、早く3年経過する方が適用されます。

③ ただし例外があり、派遣社員の年齢が60歳以上、産休育休介護休暇代替業務、日数限定業務、期間限定業務、正社員型派遣のいずれかであれば、3年ルールは適用されません

④ 3年ルールにはクーリング期間があり、離職してから3ヶ月+1日の期間が経過すれば、再び同じ組織に3年間派遣就業することが可能です。

⑤ 3年ルールを破って、3年を超えて派遣就業した場合、派遣先がその派遣社員に対し直接雇用の申し込みをしたことと同意となる労働契約申込み みなし制度が義務として適用されます。

⑥ 派遣元は就業期間が3年経過する派遣社員に対して、雇用安定処置を行う義務があります。

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